旅する映像 678日目 暗闇のスリ族ダンス



日が暮れたあと、夕食を済ませた僕らはスリ族村にお呼ばれした。何やら特別なセレモニーがあるから是非にと、ガイドのスムスムが案内してくれる。電気は無く、月も出ない夜の暗闇の辺境は、びっくりするぐらい真っ暗で、ただ歩くのも大変。歌声とざわめきだけを頼りに、僕らは村まで歩いて行く。昨日お邪魔した村の一角あたりに、たくさんの人の気配を感じた。そこに村人はたくさんいると思うのだが、暗闇に紛れると、彼らは本当に見えない。人だかりの中心に大きな火が焚かれ、なんとか皆んなの顔が確認できるようになる。子供達が歌い、おばさんたちは狂ったように踊っていた。何度説明を受けてもこのセレモニーが一体なんのためのものなのか理解できなかったけれど、とにかくみんなは楽しそうだ。盛り上がるおばさんたちに誘われるまま、僕らも火の回りで一緒に踊り、手を叩く。とても楽しい体験だったが、もしかしたら僕らは何かの生贄として、捧げられているんじゃないか。なんてことを思ったりもした、辺境の夜。

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"Kibish"

旅する映像 677日目 滞在初日のスリ族の村



名シェフ、一丁前ギターによる素敵な朝食で、スリ村滞在の初日が始まった。今日はいよいよ、初めてスリの人たちに会える日、だったのだが、昨日到着してから実にたくさんのスリの人々に、既に会っていた。キャンプサイトの入り口には、夜も朝もモリモリ子供達が集まって、写真を撮れと猛アピール。お邪魔させていただくご家庭に向かう最中にも、人はどんどんと増えていき、どの人がこのご家庭の人だかわからなくなる始末。いつでも人が集まってきていて、ほんと賑やかな辺境の滞在。初めて見るプレートをはめた唇や耳はやっぱり迫力があり、その生活っぷりも興味深かった。丸出しのおっぱいや、チラチラこんにちはする男性陣の下半身には、なんだか感心をした。そんなスリ族との初日は、珍しいものとツッコミどころばかりで忙しく、なんだかあっという間に過ぎた。嫁につけてもらった「収穫」という意味のニックネームに爆笑しながら、楽しい夕食で終わった、辺境の初日。

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"Kibish"

旅する映像 676日目 スリ族の村へ 3日め



最後の街、ミザンテフェリからはガタガタ道。通り過ぎる街は村になり、集落になり、何もなくなっていく。国土の大半を占めるエチオピア高原もここらで終わり、景色は高い木々の森から、低い木が転々とするサバンナへと変わった。首都アディスアベバは少し寒いぐらいだったのに、ここまで来るとTシャツでも汗をかく。南部諸民族州は民族ごとに区域が分けられているようで、国境のような検問を越え、とうとうやってきた未開のスリの地。布一枚の人々とすれ違い、いちいちテンションが上がる。今回僕らが滞在するのは、スリ族の村のはずれの川岸の森。こんな奥地まで観光客はほとんど訪れないようで、先客はドイツの写真家さん一人だけ。早速集まってきたスリの人々に挨拶をし、テントを張り、ちょっと緊張の辺境滞在が始まる。

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"Mizan Teferi → Kibish"

旅する映像 675日目 スリ族の村へ 2日め



スリ族の村へ向かうこと、2日め。今日はジンマから、ミザンテフェリという街まで向かう。道中ひたすら車に乗りっぱなしなのだけれど、意外なことに楽しい。それは今回同行してくれる彼らのおかげだと思う。まず、ガイドをしてくれる"スムスム"。正直ここまで気遣いの出来る人にアフリカ大陸で出会えると思ってなかった。本当に優しくて、素敵な人。ただキレると怖い。次に、ドライバーの"ロベル"。世界は狭いもので、北部の町ゴンダールに住む僕らの友人と友達だった。機嫌の良い時と悪い時の差が激しいけれど、寡黙な優良ドライバー。最後に、"一丁前ギター"。もちろんあだ名で、意味は「肥えた金持ち」らしい。真顔で面白いことをチョイチョイ言う。彼のお腹に抱きつくと気持ちいい。本職はシェフ。感動するぐらい美味しい料理を辺境で作り、ヤギも鶏も自ら捌く腕利きの漫才師。そんな彼ら三人の息がぴったりで、車中でいきなり始まるショートコントが僕らを飽きさせない。楽しい旅路。そんなこんなで1日が終わる、エチオピアの夕暮れ。

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"Jimma → Mizan Teferi"

旅する映像 674日目 スリ族の村へ 1日め



エチオピアは面白い。アフリカ最古の独立国で歴史は深く、人類最古の化石が見つかっているのもこの国。経済成長は目覚ましく、EUならぬAU(アフリカ連合)の本部があるのもこの国だし、人口は1億人を超え、2014年の経済成長率は世界1位だったとか。元々の国教のエチオピア正教はかなり独特だし、独自の暦を使ったエチオピア時間なんてのもある。そして、"南部諸民族州"。なんともディープそうな名前のこの州が、エチオピア3回めとなる僕らの、今回の目的地。40以上の民族が住む"南部諸民族州"の一番奥、南スーダンとの国境近くに暮らす、スリ族に会いに行く。アディスアベバから、スリ族の住むキビシュまで車で丸3日。滞在5日間。帰るのも丸3日。なかなかのスケジュールだけれど、なんだか非常に興奮する。そして今回は、写真家のヨシダナギさんにご一緒させていただく。これまた非常に興奮する。

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"Addis Ababa → Jimma"

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